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「めっきが剥げると言うけれど・・・」

「めっきが剥げる」という昔からのことわざがあります。 辞書で意味を調べてみると、「外面の飾りがとれて、悪い中身が暴露する。」「本性が現れる。」「地金が出る。」等、あまり良い印象の言葉ではないようです。
しかし、クロムめっきの場合、一度しっかりと下地に密着すれば、簡単に剥がれることはありません。
一般にめっきが剥がれると言われるのに、次のような場合があります。

1.
クロムめっきした部分が頻繁な、または長期の使用により磨り減って、地金が出た場合
  再度めっきすることによって、復活が可能です。
 
2.
地金に他の金属をめっき(例えばニッケルめっき上にクロムめっきを施した場合)した場合、地金とニッケルの密着が不良で剥離する場合
  地金に直接めっきすると、この剥離を防ぐことができます。
 
3.
地金とクロムめっき皮膜との間に異物(錆び、酸化膜、その他の異物等)があり、その部分が剥離する場合
  一度めっき皮膜を全て除去し、素地を適当な状態にすることで再びめっきが可能です。
 
4.
クロムめっきの密着不良が原因で剥離する場合
  これはめっき作業が不適切な場合に起こりますが、これは適切な作業により、避けることが可能です。
 
5.
めっき後の研磨、あるいはバフ工程でめっき部が剥離する場合
  めっき前の金属の表面仕上げ、めっき後の研磨・バフ工程の改良により、避けることができます。

このように一口に「めっきが剥げる」と言っても、いろいろな要因があります。お客様にとっても、我々めっき業社にとっても、この言葉はもちろん嬉しい言葉ではありませんが、このような要因があることを認識し、お客様と緊密なコミュニケーションをとりながら、更に良い加工製品を造り出していくことが三和硬質メッキ工業所のモットーです。